口呼吸を改善する6つのエクササイズで睡眠時無呼吸症候群を治す方法

生活

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に上気道が何らかの理由で狭くなったり、一時的に閉塞することで、呼吸が止まる状態を繰り返す病気です。この症状が重くなると、睡眠の質が低下し、日中の眠気や集中力の低下、頭痛などの影響が出てきます。

睡眠時無呼吸症候群の原因は様々ありますが、最も一般的な原因は「口呼吸」です。口呼吸が習慣化すると、鼻呼吸が苦手になり、寝ている間も無意識に口を開けて呼吸をするようになります。すると、舌の位置が気道を塞ぎやすくなり、無呼吸発作を引き起こしてしまうのです。

そこで今回は、以下の6つのエクササイズを紹介します。

1. 頭と顔のウォーミングアップ

2. 鼻を使った呼吸筋トレーニング

3. 舌を動かして気道を確保するエクササイズ

4. 口周りの筋力アップ

5. 口を閉じた状態を維持する訓練

6. 就寝時の口呼吸予防グッズ

これらは鼻、舌、口の筋力を高め、気道を確保するためのトレーニングです。筋トレと同様、コツコツと継続することが大切なポイントになります。

無呼吸症の改善にはウォーミングアップが大切

エクササイズを始める前に、全身をリラックスさせ、呼吸を整えるウォーミングアップが重要です。適切な準備運動を行うことで、筋肉の状態を最適化し、エクササイズの効果を最大限に引き出すことができます。

頭のマッサージで始める

まずは頭部からほぐしていきましょう。両手の人差し指と中指の腹を使い、おでこ、こめかみ、そして鼻の上部をマッサージします。円を描くようになぞり、頭の中の副鼻腔を刺激することがポイントです。副鼻腔は空気の通り道であり、適度な刺激を与えることで鼻づまりの解消や鼻呼吸の改善が期待できます。

続いて、頭の上部の筋肉もほぐしていきます。人差し指と中指を立て、頭頂部を円を描くようになぞります。ここには咀嚼筋が走っており、ストレスから引き起こされる顎の痛みや歯ぎしりの改善にもつながります。頭全体をゆっくりとマッサージすることで、血行が促進され、リラックス効果も得られます。

頬の筋肉をほぐす

次は、頬周辺の筋肉をほぐしましょう。口を動かす筋肉である口輪筋は、無意識に口呼吸をしがちな人では低下しがちです。ゲンコツ(顎の骨の下あたり)の外側を、人差し指と親指で5回ずつなぞり、頬の筋肉を刺激します。これにより、口を閉じる力が付き、夜間の無意識な口呼吸を防ぐ第一歩となります。

さらに、頬の内側も摘まむようにして刺激しましょう。頬の内側にも筋肉が存在しており、これらの筋肉を動かすことで、リフトアップ効果や発音の改善も期待できます。上下の歯ぐきを摘まむように指で押し、20回程度動かしていきます。

鼻で呼吸する練習

ウォーミングアップの最後は、鼻呼吸の練習です。「3つ数えて鼻から息を吸い、3つで鼻から吐く」を3セット行います。吸う時も吐く時も、意識して口を閉じ、鼻孔を大きく動かすようにしましょう。これで本番のエクササイズに入る準備は整いました。

鼻呼吸に意識を向けることで、無意識の口呼吸への気づきが生まれます。ウォーミングアップの段階から鼻呼吸を徹底することが、エクササイズの習慣化においても重要なポイントになります。呼吸に意識を向けることで、全身の筋肉の使い方も自然とわかるようになってきます。

鼻の呼吸筋トレーニング

鼻呼吸を習慣化するための第一歩は、鼻の筋力を鍛えることです。鼻の筋肉が弱っていると、いくら鼻から空気を吸おうとしても、思うように呼吸ができません。そこで、鼻の通気性を高める2つのエクササイズを紹介します。

片鼻呼吸で鼻筋力アップ

まずは片鼻呼吸のトレーニングです。親指で片方の鼻の穴を閉じ、反対側の穴から5秒かけてゆっくりと息を吸います。そして人差し指で反対側の穴も閉じ、5秒間息を止めます。最後に親指を外して、閉じていた穴から5秒かけて吐きます。この動作を左右の鼻穴を交互に使って3セット繰り返しましょう。

片鼻呼吸は、一方の鼻だけで呼吸を続けるため、鼻の筋力が必要とされます。普段から両鼻呼吸をしている人にとっては意外と難しい運動で、最初は息を止めている間が苦しく感じるかもしれません。しかし続けていくと、次第に鼻の筋力がついてきて、通気性が高まります。

鼻根をつまんで通気性を高める

次は鼻根をつまんでの呼吸トレーニングです。人差し指で鼻の付け根を強くつまみ、30秒間鼻呼吸を続けます。鼻根部分をつまむことで、鼻翼が開き、空気の通り道が広がります。呼吸がしやすくなるのがわかると思います。

鼻根部分は鼻の入り口にあたる部分です。この部分が閉じてしまうと、いくら後ろの通気路が開いていても、うまく呼吸ができません。鼻根をつまむエクササイズで、この入り口の開閉を自在にコントロールする力がついてきます。

鼻の呼吸筋力がついてくると、鼻呼吸が自然とできるようになってきます。寝ている間も無意識に口を開けてしまう習慣が改善されるでしょう。鼻から空気が通りやすくなれば、睡眠時無呼吸の発症リスクも低くなります。

舌の動かし方で無呼吸予防

舌の位置が気道を塞ぐことが、睡眠時無呼吸の大きな原因となっています。舌は口腔内の大きな筋肉で、適切に動かすことができれば、気道を確保し、無呼吸を防ぐことができます。ここでは舌を上手に動かすための2つのトレーニング方法を紹介します。

舌を押し上げて気道を確保

口を閉じた状態で、舌を上あごにベタッと押し付けるエクササイズです。舌全体を上あごに吸盤のように張り付け、頑張って5秒間キープします。これを5セット行います。正しい舌の位置を身につけることで、寝ている間も気道が確保された状態が自然とできるようになります。

ポイントは舌先だけでなく、舌の根元から上あごに密着させること。舌の付け根が気道に落ちてくると、睡眠時に無呼吸が起こりやすくなります。舌全体を上あごに押し付けることで、舌根部の位置が気道を塞がない状態を作ることができます。

舌で発音練習で筋力アップ

次は発音練習です。大きな口を開けて「カー」と発音し続けます。1分間、舌全体を上あごに強く押し付けたままで「カー」と発声を続けましょう。普段あまり使わない舌の筋肉を動かすため、最初は疲れを感じるかもしれませんが、続けるうちに筋力がついてきます。

これは舌の根元の筋力を鍛えるトレーニングです。発声時に舌全体を上あごに押し付けることで、舌根元の筋肉を動かすことができます。舌根元の筋力がついてくると、寝ている間も自然と気道が確保された状態を維持しやすくなります。

舌を動かすトレーニングを続けることで、気道が塞がりにくい舌の位置が身につき、睡眠時無呼吸症の改善が期待できます。就寝前に意識して行えば、より確実に効果が出る可能性が高まります。

口周りの筋肉を鍛える

睡眠時無呼吸症の改善には、口周りの筋力アップも欠かせません。口を閉じた状態を保つ力が弱いと、寝ている間に無意識のうちに口が開いてしまい、舌が気道を塞ぐ原因になります。ここでは口周りの筋力を高めるための3つのエクササイズを紹介します。

口を動かしてリフトアップ

まずは口の中で顎を左右に動かすエクササイズです。唇は閉じたまま、カムカムと顎を30秒間左右に動かします。これにより頬周りの筋肉がしっかりと動き、リフトアップ効果が期待できます。

さらに口の周りの筋肉を鍛えるために、口の左右の角を指で押すエクササイズも行います。舌先で口の左右の内側から押し、10秒間キープします。次に下の口唇を押し上げ、10秒間キープ。そして同様に右側も10秒キープします。これを3セット行います。

唇をこすって口輪筋を強化

次は口輪筋を鍛えるエクササイズです。口輪筋とは口の周りを円形に囲む閉口筋のことで、この筋力が低下すると、寝る間に口が開いてしまいます。そこで上下の唇を軽くこすり合わせ、20秒間口を閉じた状態を維持します。これを5セット行います。

口を閉じたまま唇を動かすこのエクササイズは、口輪筋に直接刺激を与えることができます。唇を軽くこすり合わせるだけで、筋肉を使うことができます。20秒間の時間は最初は長く感じるかもしれませんが、繰り返すことで徐々に持続時間が伸びていきます。

ボタンを挟んで習慣づける

最後は、ボタンを使ったエクササイズです。直径2センチ程度の大きめのボタンに輪ゴムを通し、上下の唇で挟むように装着します。こうすることで、口を閉じた状態を一定時間キープするトレーニングができます。睡眠時以外にできるだけ長時間これを続けることで、口呼吸の習慣が改善されていきます。

ボタンを使うことで、単に口を閉じるだけでなく、適度に力が入った状態を維持できます。リラックスした状態で口を閉じていれば、徐々に開いてしまいますが、ボタンを挟むことでそれを防げます。就寝中に口が開いてしまうリスクを下げたい場合は、就寝前にボタントレーニングを行うのがおすすめです。

最後に

今回紹介した6つのエクササイズは、すべて「口呼吸の改善」をメインテーマとしています。鼻、舌、口の周りの筋力を高めることで、自然と鼻呼吸への意識が高まり、口を閉じた状態を維持しやすくなるためです。

睡眠時無呼吸症候群は、多くの場合が口呼吸が原因で引き起こされます。寝ている間、無意識に口が開き、舌が気道を塞ぐことで一時的に呼吸が止まってしまうのです。つまり、口呼吸の習慣を改善することが、この症状の改善につながります。

これらのエクササイズは、どれも簡単に自宅で続けられるものばかりです。就寝前の入浴後や、テレビを見ながら気楽にでもできます。確かに最初は慣れないトレーニングもありますが、コツコツと続けていけば必ず効果が出てくるはずです。

筋トレと同じように、一過性のものではなく継続することが何より大切です。しばらくは面倒に感じるかもしれませんが、習慣化すれば自然と続けられるようになります。睡眠の質が改善され、健康で充実した日々を送ることができるよう、ぜひ取り組んでみてください。

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