私たちの生活に欠かせない大切な感覚器官である目。しかし、目に痛みを感じることは珍しいことではありません。中でも「動かすと目が痛い」という症状は、気になり不安になるものです。この症状を放置してしまうと、最悪の場合は失明に至るリスクもあるのです。そのため、原因を正しく理解し、適切な対処をすることが何より重要なのです。
目に痛みを感じる原因は実に様々で、その痛みは大きく分けて表面的な痛みと奥の痛みの2種類に分類できます。動かすと目が痛い症状は、表面的な痛みだけでなく、目の奥の方からくる痛みでも起こりえます。適切な対処のためには、さまざまな可能性のある原因と症状をよく理解しておく必要があります。
本記事では、動かすと目が痛くなるような主な原因と、それぞれの症状に応じた適切な対処法について詳しく解説していきます。目の健康を守るためには、些細な症状であっても見逃してはいけません。症状に合わせた正しい対応をすることで、目の痛みを和らげ、重大な病気へとつながる危険性を最小限に抑えることができるのです。
動かすと目が痛い主な原因
動かすと目が痛くなる主な原因は、大きく分けて以下の4つが挙げられます。
- ドライアイ
- 眼精疲労
- 角膜炎や結膜炎
- 緑内障発作
目の健康を守るためには、これらの原因と症状を正しく理解しておく必要があります。次に、それぞれの原因と症状について詳しく見ていきましょう。
症状別の対処法
動かすと目が痛くなる症状の原因が分かれば、適切な対処法を取ることができます。それぞれの症状に応じた対処法を確認しましょう。
ドライアイの場合
ドライアイとは、目の表面が乾燥することで引き起こされる病気です。目の表面が乾燥すると、痛みやかゆみ、異物感などの不快な症状が現れます。動かすと目が痛くなるのは、ドライアイによる症状の1つなのです。このドライアイに対しては、以下のような対処が有効です。
- 目薬で対処
涙の成分を補う目薬を点眼することで、目の表面の乾燥を緩和できます。 - 目の休息が大切
パソコンの長時間使用などで目に過度の負担がかかると、症状が悪化する可能性があります。視覚に負担のかかる作業は控え、目を十分に休ませましょう。
ドライアイは放置すると慢性化し、角膜の障害などの合併症を引き起こす危険性もあります。症状があれば、早めに対処することが大切です。
眼精疲労の場合
長時間のパソコン作業や読書などで、目に過度の負担がかかり続けると、眼精疲労が蓄積していきます。このような眼精疲労が主な原因となり、動かすと目が痛くなる症状が出ます。また、度数の合っていない眼鏡を使用し続けていると、眼精疲労が起こりやすくなります。眼精疲労に対しては、以下の対処が効果的です。
- 目の運動や休憩を
まばたきを意識的に行う、目を温めるなどの目の運動と、適度な休憩を心がけましょう。 - 眼鏡の度数チェック
視力の変化に合わせて、定期的に眼科で検査を受け、適切な度数の眼鏡に更新することが重要です。
眼精疲労が原因で動かすと目が痛くなっているのであれば、目の休息を十分に取ることで改善が見込めます。しかし、長期間放置すれば、症状が慢性化するリスクがあります。早めの対処が肝心です。
角膜炎や結膜炎の場合
目の表面にある角膜や結膜に炎症が起これば、動かすと目が痛くなる症状が出ます。この角膜炎や結膜炎は、細菌やウイルスへの感染、アレルギー反応などが原因で発症します。この場合は、速やかに専門医の診断と治療を受けることが何より重要です。
- 早期の眼科受診を
自己判断で放置していると、症状がさらに悪化する可能性が高くなります。専門医による適切な診断と治療を早期に受けましょう。
角膜炎や結膜炎は、適切な治療を行えば比較的短期間で改善が見込めます。しかし、重症化すると視力障害の原因にもなりかねません。動かすと目が痛い症状があれば、早めの受診が賢明な対処法と言えるでしょう。
緑内障発作の場合
緑内障は、目の奥の病気で徐々に視野が狭くなり、最終的には失明に至る可能性のある深刻な疾患です。緑内障発作とは、急に目の奥が激しく痛くなり、動かすと目が痛くなる症状が出る状態を指します。緑内障発作が起これば、緊急で専門医の治療を受ける必要があります。
- 緊急で眼科を受診
緑内障発作は重大な緊急事態です。すぐに救急車を手配し、眼科での緊急治療を受けなければなりません。
緑内障発作は一刻を争う重大な症状なのです。発作時の症状としては、目の奥の激しい痛みに加え、頭痛、吐き気、視力低下などが起こります。放置すれば、わずか数時間で失明に至る危険性もあるため、発作が起きたら至急受診しなければなりません。
緑内障は徐々に進行する病気ですが、発作が起これば一気に症状が悪化します。発作が治まっても、適切な治療と経過観察が必要不可欠です。日頃から健康的な生活習慣を心がけ、定期的な眼科検査を受けることが、緑内障対策として重要なのです。
動かすと目が痛くなる症状の原因には、上記の4つ以外にも様々なものが考えられます。中には、脳出血や脳腫瘍などの深刻な疾患が潜む可能性もあります。動かすと目が痛くなる症状が続く場合は、決して放置せずに専門医の診断を仰ぐべきでしょう。
動かすと目が痛い時の対処のポイント
動かすと目が痛くなるという症状に見舞われた場合、適切な対処が何より重要です。症状が軽視できないものなのか、それとも深刻な兆候なのかを見極める必要があります。そのためには、以下のポイントを押さえた対応が求められます。
すぐに改善しない場合は眼科受診を
動かすと目が痛くなった際、一時的な現象であれば経過観察で良いでしょう。しかし、数日経っても改善が見られない場合は、眼科での受診が賢明な選択です。痛みが続く理由を専門家に確認し、適切な治療を早期に受けることが大切なのです。
症状の経過を観察し記録する
症状がいつ頃から出始め、どのような経過をたどっているのかを観察し、記録に残しておくことをおすすめします。痛みの度合いや、同じように起こる症状の有無なども大切な情報になります。専門医に正確な症状を伝えられれば、適切な診断と治療へとつながります。
自己判断せず専門家に相談する
目の症状については決して自己判断は避けるべきです。症状の原因が深刻な疾患であれば、適切な治療が遅れてしまう危険性があります。些細な症状であっても、眼科医に相談することをおすすめします。専門家の的確な判断を仰ぐことで、大事に至る前に適切な対処ができるからです。
最後に
目の痛みは、軽視できない深刻な疾患の兆候かもしれません。特に動かすと目が痛くなるという症状は、緑内障発作をはじめとするさまざまな病気のサインとなりえます。目は生活に欠かせない大切な感覚器官です。そのため、症状が出た際は無理をせず、症状に応じた適切な対処をすることが何より重要なのです。
一時的な痛みで済めばよいのですが、痛みが続く場合や他の症状も伴う場合は、できるだけ早期に眼科を受診しましょう。専門家の診断を仰ぎ、原因に応じた治療を受けることで、大事に至るリスクを最小限に抑えられます。目の健康を守るため、決して自己判断に頼らず、専門家に相談することが賢明な対処法と言えるでしょう。