ウォーキングで手に入る絶大な健康効果とは?
近年、健康志向の高まりから運動習慣を持つ人が増えています。その中でも、ウォーキングはケガのリスクが低く、誰でも手軽に始められる運動として人気があります。ウォーキングは有酸素運動の一種で、効果的な脂肪燃焼と生活習慣病予防に役立ちます。
有酸素運動の王道、ウォーキング
ウォーキングは酸素を使って行うエネルギー消費の大きい有酸素運動に分類されます。有酸素運動とは、運動中に酸素を取り込みながら糖質や脂肪をエネルギー源として消費する運動のことです。
一方の無酸素運動は、筋肉内に貯蔵されたエネルギー源を使い果たすと乳酸が蓄積され、長時間続けられません。 有酸素運動であるウォーキングは、酸素を絶えず取り込めるため、長時間運動を続けられます。さらに、脂肪をエネルギー源として利用できるため、脂肪燃焼への効果が期待できます。ウォーキングの良さは、気軽に始められて継続しやすい点にあります。
脂肪燃焼と生活習慣病予防に効果絶大
ウォーキングによる脂肪燃焼効果は絶大です。有酸素運動中はリパーゼという酵素が活性化し、体内の脂肪を分解します。さらに運動後数時間は脂肪燃焼がスムーズに行われる状態が続きます。毎日続ければ確実に体脂肪は減少していきます。
また、内臓脂肪の減少による生活習慣病予防効果も大きいです。内臓脂肪は炎症を引き起こし、高血圧や動脈硬化、糖尿病などの原因になります。ウォーキングで内臓脂肪を減らせば、これらの病気のリスクを下げられるのです。
さらにウォーキングは、血流を良くして体質を改善します。ふくらはぎの筋肉の動きで下半身から上半身への血液循環が促進されるため、低血圧や冷え性、むくみなども改善できます。このように、手軽なウォーキングから得られる健康効果は絶大です。
ウォーキングの消費カロリーと正しいフォーム
消費カロリー計算と比較
ウォーキング中の消費カロリーを計算する公式は次のようになります。
消費カロリー (kcal) = METs(メッツ) × 運動時間(時間) × 体重(kg) × 1.05
この公式でメッツとは、運動の強度を示す係数のことです。厚生労働省によると、ウォーキングのメッツは4.3〜5.0に相当します。 具体例を挙げると、体重65kgの人が30分間ウォーキングした場合、約146キロカロリーを消費したことになります。これは軽い筋力トレーニング(メッツ3.5)よりも高い消費量です。
さらに、有酸素運動は時間が長ければ長いほど脂肪をエネルギー源に使う割合が高くなります。つまり、長時間続けられるウォーキングは脂肪燃焼に最適なのです。卓球(メッツ4.0)やテニス(メッツ4.5)よりも高い運動強度ながら、長時間続けられる点がウォーキングの大きな利点といえます。
正しいウォーキングフォームのポイント
ウォーキングの効果を最大限に発揮するには、正しいフォームで歩くことが重要です。主なポイントは以下の通りです。
歩幅を広げ、早足で歩く 顔は正面を向き、頭が左右に振れないよう背筋を伸ばす 肩の力を抜いてリラックスし、肘を曲げて腕を振る 腰の回転を意識して歩く 早足で歩けば消費カロリーはさらにアップします。また、腕の振りと腰の回転は下半身の筋肉を使って歩くことになり、ふくらはぎの血行促進につながります。
準備運動も欠かせません。無理なく継続するには、全身の筋肉を伸ばしてから歩き始めましょう。ウォーキングの前にストレッチをすると、効率が上がり終了後の疲労感も和らげられます。
ウォーキングで死亡リスクが20%減!?
アメリカ国立がん研究所の調査結果
ウォーキングの健康効果は、アメリカ国立がん研究所が行った大規模な調査でも裏付けられています。この調査では約14万人を対象に、運動習慣と死亡リスクの関係が分析されました。 その結果、週に2時間未満のウォーキングをしていた人は、全く運動をしない人に比べて死亡リスクが26%低下していたことがわかりました。
さらに、週2.5時間から5時間のウォーキングをする人は、がんによる死亡リスクが20%低下していたのです。 合わせて、週6時間以上のウォーキングをすると、肺炎やインフルエンザなどの呼吸器疾患による死亡リスクは驚きの35%も低下したと報告されています。定期的なウォーキングが、総合的に死亡リスクを大幅に下げる効果があることが実証されたわけです。
ストレス解消と気分転換の効果も
ウォーキングの効果は身体的なものだけではありません。脳内の伝達物質に好影響を与え、ストレス解消やうつ症状の改善、気分転換にも一役買います。 過度なストレスは免疫力の低下を引き起こし、さまざまな病気の原因にもなります。ウォーキングで気分を リフレッシュできれば、そうした悪影響から身を守ることができるでしょう。
運動中は脳内で気分を高揚させるベータエンドルフィンが分泌されるほか、ウォーキングの景色の変化が気分転換にもつながります。ストレス発散と気分転換で、メンタルヘルスの維持・改善効果が期待できるのです。 有酸素運動であるウォーキングには、単なる身体的効果にとどまらず、死亡リスク低減やメンタルヘルス改善といった、総合的な健康増進効果があるということがわかります。
週何日、何分からウォーキングを始めるべき?
はじめは週2~3日の30分から
ウォーキングは継続することで効果が期待できる運動です。ですので無理なく続けられるペースから始めることが大切です。 アメリカ国立がん研究所の調査結果でも、週に2.5時間程度のウォーキングで健康上の大きな効果が認められています。
つまり、最初は週2~3日、1回30分からスタートするのが理想的でしょう。 体が徐々にウォーキングに慣れてくれば、週4日以上に増やしていきましょう。3週間から4週間で心拍数の上昇や血圧の低下、脂肪減少などの効果が現れ始めてきます。 無理のない範囲で徐々に時間と頻度を増やし、最終的には毎日30分以上のウォーキングを目指すと良いでしょう。運動習慣を身に付けることが健康維持の鍵となります。
準備運動の重要性
ウォーキングは比較的負荷が低い運動ですが、準備運動を怠ってはいけません。ストレッチをしっかりと行い、関節やインナーマッスルをほぐすことで、ケガのリスクを減らせます。 全身の筋肉をしっかりと伸ばして柔軟性を高めることで、スムーズな動きが可能になります。準備運動を行うことで運動効率も上がり、終了後の疲労感を和らげる効果もあります。
継続は力なりということわざがあるように、無理なく続けられる範囲からスタートし、徐々にペースアップしていくのがウォーキングの賢明な始め方です。準備運動を怠らず、楽しみながら有酸素運動の習慣を身に付けていきましょう。
最後に
ウォーキングは気軽に始められる反面、身体に大きな効果をもたらす素晴らしい有酸素運動です。脂肪燃焼と生活習慣病予防に加え、血流促進による体質改善、そしてストレス解消やメンタルヘルス維持など、総合的な健康増進効果が期待できます。
アメリカの調査でも、ウォーキングが死亡リスクを最大35%も下げる可能性が示されています。手軽に始められるうえ、長期間継続しても飽きが来にくいのがウォーキングの利点です。
習慣化するまでは週2~3日の30分からスタートし、準備運動を欠かさずに無理なく続けましょう。徐々に頻度と時間を増やし、最終的には毎日30分以上のウォーキングを目標にしましょう。一生涯続けられる運動としてウォーキングを活用し、健康で長生きできる体づくりを心がけましょう。