呼吸が苦しいと感じたことはありませんか?日常生活の中で、様々な理由からストレスを感じ、呼吸が難しくなることがあります。そんな時、原因がよくわからず不安になってしまいがちですよね。しかし、呼吸困難の原因さえ特定できれば、自分で対処できる場合がほとんどなのです。
呼吸は生命維持に欠かせない基本的な機能です。呼吸が楽にできないと、日常生活にも大きな影響が出てしまいます。例えば外出時に突然呼吸が苦しくなれば、不安やパニック障害につながるかもしれません。そうならないためにも、呼吸困難の原因と対処法を知っておく必要があります。
多くの場合、呼吸が苦しくなる原因は単純なものです。ストレスからくる筋肉の緊張や、姿勢の悪さ、生活習慣の乱れなどが主な要因と考えられています。つまり、原因さえわかれば、自分で改善できる可能性が高いということですね。
このように、呼吸が苦しくなったからといって、すぐに医療機関を受診する必要はありません。まずは自分で原因を探し、対処法を試してみましょう。呼吸が楽になれば、日々の生活の質も格段に上がるはずです。本記事では、呼吸困難の3つの主な原因と、それぞれの対処法をご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
呼吸困難の3つの原因
1. 胸からくる呼吸困難
胸から来る呼吸困難は、普段から腕を頻繁に使う仕事をしている方に多くみられる症状です。美容師さんやパソコン操作を伴うデスクワークの方、飲食店での調理や洗い物の仕事に従事する方など、腕を動かすことが多い職種に従事していると、その疲れが胸に影響を与えてしまうのです。
具体的には、胸の中でも肩に近い部分にある「小胸筋」と呼ばれる筋肉の緊張が原因となります。この小胸筋は呼吸と深く関わっており、緊張してしまうと呼吸が浅くなり、胸が十分に広がらなくなってしまうのです。
つまり、日頃の腕の使い過ぎが小胸筋を酷使し、結果として呼吸困難を引き起こしているわけです。頑張り過ぎが祟ってしまう典型的な例と言えるでしょう。
2. 喉からくる呼吸困難
喉から来る呼吸困難の原因は、喉仏周りの筋肉の緊張にあります。喉が狭く感じられたり、唾を飲むと異物感を覚えたりする症状がみられます。ネットで調べると「ヒステリー球」や「喉頭痙攣」などの言葉が出てくることもあります。
このような喉の筋肉の緊張は、実は首の付け根にある頸椎(くびつぎ)の7番目の椎骨に由来するものなのです。頸椎7番は首と胸の中間に位置し、様々な筋肉が交差する重要な場所です。首肩こりがひどい方はこの辺りに原因があることが多いのですが、この部分の緊張が喉の筋肉の緊張を引き起こし、呼吸困難に つながってしまうのです。
3. お腹からくる呼吸困難
お腹からくる呼吸困難は、デスクワークや家事、育児などで長時間同じ姿勢を取っていると起こりがちです。座りがちな生活習慣が、お腹周りの筋肉、特に肋骨の下のみぞおち周辺の筋肉に負担をかけてしまい、結果として呼吸がしづらくなってしまうのです。
リラックスしてソファに座っていても、体を丸めた姿勢を取っていると、同様にお腹に圧迫がかかります。スマホやテレビを見ながらうっかり猫背になってしまえば、呼吸に支障をきたすリスクがあります。
デスクワークにしろ家事にしろ、長時間同じ姿勢を取り続けることが呼吸困難の原因となっています。無理のない姿勢で生活することが何より大切なのです。
対処法
1. 小胸筋ストレッチで胸の呼吸困難を解消
胸からくる呼吸困難の対策は、小胸筋のストレッチを行うことです。小胸筋は肩の近くにある呼吸に関わる重要な筋肉です。腕を使う仕事が多いと、この部分が緊張して呼吸を阻害してしまいます。
小胸筋のストレッチは簡単です。まず小胸筋の位置を確認しましょう。鎖骨と肩の先端を結ぶ斜め下の4本指分下がったあたりが小胸筋の場所です。この辺りを4本の指で押さえ、反対側の肩を外回しさせるストレッチを10回程度行います。
ストレッチ中は、押さえた手に力を入れすぎずに、胸の方に手を深く入れる感じで行うことが大切です。小胸筋を刺激することで緊張をほぐせます。10回程度のストレッチ後は必ず深呼吸を行い、体の変化を脳に伝えましょう。
このストレッチを続けることで、小胸筋の緊張がほぐれ、呼吸が楽になります。日頃のデスクワークや家事の疲れから来る胸の呼吸困難に効果的な手軽なストレッチです。
2. 背泳ぎのストレッチで喉の呼吸困難を改善
喉の呼吸困難は、首の付け根にある頸椎7番の緊張が原因で起こります。この部位の緊張が喉の筋肉の緊張を引き起こすため、喉が締め付けられた感覚や異物感が出てくるのです。
この対策として効果的なのが「背泳ぎのストレッチ」です。仰向けになり、頭上の一点を見つめながら、左右交互に手を伸ばすストレッチです。手を伸ばす時は遠くを意識し、10往復ほど行います。
背泳ぎのストレッチを行うと、首周りの筋肉がほぐれ、頸椎7番の緊張が和らぎます。そうすると喉の緊張もついでに解消されるので、呼吸が楽になるのです。ストレッチ後は必ず深呼吸を行い、リラックスした呼吸を意識しましょう。
首に直接ストレッチを加えるのは難しいため、こうした間接的なアプローチが有効です。首肩こりがひどい方は特に、背泳ぎのストレッチで喉の呼吸困難を改善させることをおすすめします。
3. にゃんにゃんストレッチでお腹の呼吸を楽に
お腹周りの筋肉の緊張から来る呼吸困難に効果的なのが「にゃんにゃんストレッチ」です。このストレッチは、みぞおち周りの呼吸に関わる筋肉をほぐす働きがあります。
にゃんにゃんストレッチは、両手の人差し指と親指でピースサインを作り、その指を両手で握り込む形から始めます。次に手首を猫のように折り曲げ、上体を傾けながら片方ずつ手を伸ばしていきます。
伸ばした手からはみぞおち周りに刺激が走り、緊張していた筋肉がほぐれていきます。3回ほど片側ずつストレッチを行ってから、最後に深呼吸をすれば完了です。
デスクワークや猫背姿勢が長く続いていた方は、お腹に圧迫がかかり呼吸困難に見舞われがちですが、このにゃんにゃんストレッチで解消できます。ちょっと変わった動作ですが、効果は抜群なので試してみる価値は十分にあるでしょう。
最後に
本記事では、呼吸困難の3つの主な原因と、それぞれの対処法をご紹介しました。胸・喉・お腹といった部位別に原因を分析し、小胸筋ストレッチ、背泳ぎのストレッチ、にゃんにゃんストレッチという自己ケアの方法を解説しました。
現代人は長時間同じ姿勢を取る機会が多く、ストレスから筋肉の緊張が生じがちです。そのため、気づかないうちに呼吸が苦しくなっていることも少なくありません。しかし、今回紹介した対処法を実践すれば、簡単に筋肉の緊張をほぐし、呼吸を楽にすることができるはずです。
呼吸が楽になれば、日々の生活の質も格段に上がります。ストレス社会に生きる多くの人が抱えがちな呼吸困難に対し、これらの対策は確実に効果的でしょう。日常生活で気をつけるだけで呼吸がラクになるのなら、ぜひ一度試してみる価値は十分にあります。
自分に合った対処法を見つけて、呼吸を楽にしましょう。健康で快適な生活を送るためにも、呼吸のケアは欠かせません。